下駄屋を継ぐと決めてから、1年半の間にしていたこと vol.2

この記事は以下の投稿の続きとなるので、ぜひこちらの記事もご覧になっていただけるとうれしいです!

今回はめずらしく、本のご紹介などもさせていただいています。


目次

経営者がたくさんいるお店

私は会社員から経営者になることになった。一方で、経営者になるまでに1年半の猶予がある。そこで私は少しずつ知識を入れることから始めようと考えた。

なぜならば、仕事の生産性は「知識×スキル×スタンス」で成り立っていると思っているからだ。

仕事で結果を残したり、生産性を高めて多くの仕事を処理するためにはこれら3つを研鑽していく必要がある。特に、経営者となりお店の将来を担う立場となるからには自己研鑽に妥協はできない。

コロナ禍に突入し、在宅ワークがスタートし通勤にかかる時間がなくなった。その時間を活用し、後継ぎなる準備を始めようと決意した。

そう思ったとき、ふと思い立ったことがあった。いまから一緒に仕事していく「大和屋履物店」をとりまくメンバーのことだ。

いまの店主は、まもなく90歳になる三代目夫婦はまぎれもなく経営者である。

そして、次の代として引き継ぐ義母の四代目は今から一緒に経営者になる。

さらには、仕事で常に関わる義叔母、染色作家の充子さんも自分のブランドを持つ経営者である。

なんとも経営者が多い。これだけ経営者だらけの環境ならば、一緒に勉強していくことが有意義だと感じた。

そう、家族経営のお店は全員が経営者であり、意思決定機関なのである。

経営戦略とコミュニケーション

私は知識を身につけるために、主に2冊の本で学習した。

新しい経営学
総合評価
( 4.5 )
メリット
  • 経営学の基礎について体系的に学べる
  • 事例などをもとに説明があるので、予備知識がなくても理解ができる
  • ケーススタディを通じて簡単なアウトプットができ、理解を深めることができる
デメリット
  • 経営学に精通している方にとっては若干の物足りなさがある
  • 本当に基礎なので、リアルな現場に落とし込むにはそれなりの工夫がいる(初心者向け)
改訂版 強い会社が実行している「経営戦略」の教科書
総合評価
( 4 )
メリット
  • 実際に策定していく際のプロセスがとても分かりやすく整理されている
  • 説明が端的なので、読みやすい
デメリット
  • 実際にプロセスを進めるには分析が必要であり、その手法については他の本で学ぶ必要がある
  • スタートアップというよりも、現在の経営戦略をあらためて見直す向けである

一冊目の『新しい経営学』で経営とは何かを簡単に学んだうえで、二冊目の『改訂版 強い会社が実行している「経営戦略」の教科書』のプロセスに沿って、経営戦略を立案していった。

ここで良かった点は、私一人で進めなかったことだと思う。

月に一回の定例会議に合わせて、この本で学んだことを一緒に働く仲間に伝えるための準備をした。そして、その知識をもとに全員で「大和屋だとどうなるか?」についてディスカッションすることができた。

そうすることで、自然と全員に知識がついていく。さらには、全員の話し合いで決めた「経営戦略資料」が出来上がったのだ。

『全員の話し合いで決めた「経営戦略資料」』。この存在が何よりも大切だと思う。

実は私にもサポートしようとしたもののうまくいかなかった経験がある。それは、私の本当の「実家」である。

私の実家は栃木の山奥で温泉旅館を経営している。そして、その旅館は父から兄へ代替わりが行われた。そして、今年2022年年明けに経営のサポートの依頼があった。

私自身、自分の実家だからこそどうにかしてあげたかった。しかしながら、さまざまな課題が山積されており断念せざるを得なかった。(詳しく書けずに申し訳ないです)

きっと、こうなってしまった背景には、先代と今の経営者が相互に「経営戦略の共有」ができていないことが挙げられると思う(もちろん、これだけではないが…)。

小さなお店であればあるほど、コミュニケーションを密に取ることが大切であり、お互いの信頼関係と尊敬が大切だ。

「経営戦略の共有」も大切なコミュニケーションの一つであるからこそ、私はこれからも一緒に作り上げていくことを重要視したい。

つづく

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

もしよろしければシェアしてください。
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

船曵竜平のアバター 船曵竜平 合同会社reshack代表

合同会社reshack代表。
明治大学を卒業後、大手生命保険会社勤務を経て独立。
大和屋履物店(下駄屋)や小倉染色図案工房(アーティスト)のサポートを通じ、日本の文化を継なぐ活動をするために起業。

コメント

コメントする

目次