先日、岐阜県郡上に行ってきました。
天ぷら中華という料理をご存知でしょうか。
あえて説明すると、天ぷらの乗った中華そば、ラーメンです。
長く愛されている岐阜の名物らしいのですが、現地で教えてもらうまで私は全く知りませんでした。
おすすめされたお店で美味しくいただいている最中ふと疑問に思ったのですが、
天ぷらの乗ったラーメンってどうして見掛けないんでしょう(こんなに美味しいのに)。
私は考えました。
目の前の天ぷら中華を構成する要素を分析しました。そしてお店からの帰り道、さっき隣で一緒に食べていた人が思わずスープを先に飲み干して残りの麺に四苦八苦する様を回想しながら、一つの仮説に思い至りました。
ラーメンのスープというのは普通、そこに含まれる油脂が美味しいものです。しかしその濃厚な油分のために、具材としての揚げ物は少し過剰で、あまり必要とされていないかも知れません。
ところが天ぷら中華の場合、それはラーメンというよりは和風のお出汁で、溶け出した天ぷらの衣と一緒になることで丁度良い塩梅になるようなあっさりしたものでした。実際私がいただいたお店も、他のメニューを見る限り強いて言えば「うどん屋さん」ということになるのだろうと思います)。
(Google Map)
逆説的に天ぷら中華とは、油脂を加えなくても十分美味しい出汁があって初めて成り立つ、
その「美味しい+美味しい=美味しい」を体現したようなかわいらしい見た目に反して
かなりエッジの効いた食べ物なのかも知れない。
であれば、あまりメジャーとは言えない現在の立ち位置も一応の説明が付くし、
さっきスープを飲み干して困っていた人も、空腹のあまり我を忘れたわけではないのかーー。
そんなことを考えながら、祭りの準備で騒がしくなり始めた郡上の町へ歩き出しました。
なお私は、とりたてて味覚に自信があるわけでもラーメンへの知見があるわけでもないので、
てんで見当ちがいの話をしているかも知れません。
ただ、日常の中で「なぜ」を考え仮説を立てるのって、楽しいですよね
(もちろん、立てた仮説の検証も大事ですよ)。
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